日大アメフト部問題の第三者委員会報告書について調べてみました。

 気になっていた日大アメフト部悪質タックル問題の第三者委員会の最終報告書が、7月30日にでました。反則タックルは内田前監督の指示と断定され、学長、理事長に対して管理責任に問題があったとする結論でした。

 反則タックルをおこなったA選手については、内田・井上両氏の被害者であると断じています。この点を検証します。その前に確認です。①内田氏が直接「反則しろ」とは一言も言っていない。②「つぶしにいきますから出場させてください」と言ったのはA選手のほうである、という2点は、記者会見でA選手自身が言っています。つまり、A選手の言い分を100%信じても、『内田氏が反則を指示したうえで出場させた』結論にはなりません。

 何を根拠に第三者委員会は「反則は内田氏の指示」と断定したのでしょうか。この辺については、中間報告書に記載されています。

~「潰す」という表現は、アメフトにおいて、思い切って相手選手にぶつかる、タックルをする(「潰す」くらいの意気込みをもって全力プレーする)という意味合いで、しばしば用いられるものであり、通常は相手選手を負傷させることまで意味しないが、A選手が井上コーチから、相手QBが知り合いかどうか確認されたり、相手が怪我をしたらこっちの得だろうといわれたりしたことを踏まえると、井上氏の指示の意味は相手QBが怪我をしてもかまわないからルールを逸脱した危険なタックルをやれというものであったとみるのが相当である。~

 確かに「怪我をさせてもかまわない」という指示だったことは理解できますが、「ルールを逸脱してもやれ」といった根拠にはなりません。

~当初、本件試合のスターティングメンバーにA選手の名前は挙げられていなかったため、A選手は井上コーチに‥~

 さらりとかかれていますが、これはきわめて重要な部分です。少なくともあの試合において、内田氏がA選手に「反則してこい」と出場させたわけではない証拠といえます。

 これは私の想像ですが、あの反則プレーの直前までは、内田氏、井上氏、A選手の3人とも、『“インプレー中に”相手QBをつぶす』つもりで話をしていたと思われます。内田氏が「本当にできるのか」と訊いたのも、それが技術的に極めて難しいからです。それができずに“インプレーの状態が終わった”瞬間、A選手の脳裏に「できなかったじゃすまされないぞ」との井上氏の言葉がよぎり、パニックとなったA選手が、あんなに遅れたタックルをやってしまったのだと思っています。そう考えれば内田氏が、試合後すぐに「自分の責任」といったものの、その後に刑事事件になりそうだったので、「信じてもらえないかもしれないけど‥」と前置きしながら話した内容も、矛盾しません。

 委員会メンバーは皆さん弁護士のようです。調査方法については、日大アメフト部部員をはじめとする関係者の聞き取り調査や“多数の関係資料”やメールの分析、日大アメフト部員へのアンケート、他大学アメフト部監督の意見を分析したと書いてあります。ですが、どの資料によってどの結論になったかは記載がありません。けっこうブラックボックスです。そもそもアンケートが“何かの証拠になる”のかはなはだ疑問ですが(内田監督が多くの人に嫌われていたことはわかるでしょうが)、それの結果さえ載っていません。根拠とした資料については『多数の関係資料』とだけ書かれていて、私には小学生の自由研究以下にしか思えませんが、第三者委員会という世界は、これで通用するようなものなのでしょうか。

 ご承知の通り、内田氏は刑事告訴されています。その前に「第三者委員会」が結論出していいのかも気になります。犯罪かどうかというところについては、「第三者委員会」には決める権限はないと思うのですが‥。

 第三者委員会なるものが誕生して久しいですが、昔は「当該企業をおもんばかって、委員会メンバーが手心を加えることもあり、踏み込み不足となることが多かったようです(日本大百科全書の抜粋)。」今では、第三者委員会を格付けする機関もあるそうで、実際今回の日大アメフト部問題の第三者委員会に対しても、中間報告は「理事長に対して甘すぎる」と評価され、最終報告書には田中理事長の責任について強く書かれています。最近は、問題を起こした当該団体にあえて厳しい報告書を作ることで、逆にマスコミから当該団体を守るという手法もとられるようです。

 今回の第三者委員会の最終報告書も客観性を欠いたものと感じざるを得ません。もうひとつはやり納得がいかないのは、最も当事者であるA選手です。ひどい反則を行い、師匠を陥れたにもかかわらず、このまま許されるばかりか、「やっぱりアメフトをやりたい」ならまだしも「日大アメフト部を再建したい」などといっていることは、大変不快です。

 

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