知床遊覧船事故の報道をみて感じること

 知床で観光船の悲しい事故が起こってしまいました。運航会社に“問題”が多いようで、関係者の多くが「起こるべくして起こった事故だ」と言っています。それが分かっているのになぜ、今回の事故を防げなかったのでしょうか。“監督”すべき人に責任はないのでしょうか。

 私はこの事故は、熱海の盛り土による土砂災害、児童相談所が子どもをまもれなかった虐待死事件、生肉での食中毒死事件と同じような構図と思います。どれも役所が監視していながら、指導のみでなあなあで“許し”、重大な事故が起こってしまってから警察の後ろからとことこついて行って調査し、「あってはならな事故だ」「再発防止策をだせ」などと言います。遅いんです!そして行政は決して謝罪はしません。

 知床観光は賃金の安い不慣れな乗務員だけで運行されていたそうです。強風でも自分たちの判断で出航しました。民間事業者が利潤を追求すれば、そうなってしまいがちであることをまず認識しなければなりません。それが許されないことであるなら、そうさせないために、「船の運転免許を厳しくする」「船の乗務員は何人以上必要」「船長は経験20年以上必要」「運転者は5年以上指導をうけたものでなければならない」「通信設備は2系統以上確保して出航しなければならない」「風速何メートルの予報の場合出航できない」等々、罰則のある法令をもって『決めておく』必要があります。判断を任せて結果が悪ければ批判するというのでは、監督責任を果たせていません。業者の「安かろう悪かろう」を防ぐためには、各事業者の“質”を比較できるように、具体的で公平な情報公開も必要でしょう。

 もうひとつ大変気になっていることがあります。今回の事故では、最初の救護要請から「船首が30度傾いている」まで97分間もの時間がありました。この間にどのような活動がなされていたか、何が理由で救助できなかったのか、明らかにする必要があります。マスコミも感情的感傷的内容に偏らず、きちんと調査報道してほしいです。

 説明責任があるのは、「知床遊覧船」の社長だけではないと思います。そしてこのような事故の再発防止策は国土交通省こそ提出すべきです。

インターネット政党 ≪日本理晢党≫ (nihonreset2019.work)