先ほどまた、特殊詐欺に被害の事件の報道がありました。電話でATMを操作させて、自分の口座に振り込ませる手口のようでした。
振り込め詐欺の最初の形である『オレオレ詐欺』は、2003年ごろから報告があるそうです。それからもう20年近くになろうかという今、近年は少しずつ減少しているとはいえ、いまだに被害額は280億円ほどあるそうです。なくならない原因は、「加害者と被害者の問題」とされていることと、「気を付けましょう」の呼びかけしかされていないことでしょう。
『ヒューマンエラー』や『ヒヤリハット』について少しでも学んだことがある人にとっては常識なのですが、『勘違いをしないように気を付けてください』というのは全く意味がありません。『ヒューマンエラー対策』の基本的な考え方は、『ヒューマンエラーはなくせないので、ヒューマンエラーが起こることを想定して、システムとして、事故が起こる可能性をすくなく、事故が起こったときの被害を小さくする』ことです。(私は40歳ぐらいになってやっと『ヒヤリハット』の勉強をしましたが、もっと早く社会人になる前に高校生ぐらいで教えたほうがいいと思っています。)
『振り込め詐欺に気を付けよう』ではなく、『振り込め詐欺が起きないシステムを構築する』必要があります。いろんな振り込みの形があるでしょうが、それぞれにブロックする方法があると思います。
①そもそも銀行口座の開設のハードルを上げる。②個人の口座に個人からの入金の場合にブロックする。③口座に入金があったのちただちに引き出そうとする操作をブロックする。④振り込みの際に“なんのお金”かやだれ宛かを入力させる。⑤振り込みの際には必ず『詐欺の可能性はありませんか』と表示する。⑥電話しながらATMを操作することはブロックする。‥などなど考えましたが、素人考えでしょうか。
プロにはプロとしての工夫がもっとあるでしょう。たった一つ、「振り込め詐欺による被害は、銀行が補償する」と法律に決めれば、あとはきっと銀行が本気で考えるでしょう。