マイナンバーカードを保険証に(2)

 「マイナンバーカードを保険証にする」とのことで、2024年秋に紙の保険証をなくすそうです。河野大臣がいつものように自信満々話していましたが、「マイナンバーカード普及のための策」を訊かれても何も具体的なことは話されなかったので、まあ絶対無理でしょう。岸田総理ではなく、河野大臣が発表していることがポイントです。河野大臣は辞任するだけで済みますから‥。一方で、対応を迫られている医療機関は大変です。

 以前にも書きましたが、今やっていることは「マイナンバーカードを保険証に紐づけする」だけです。これだけのために相当なコストがかかります。(ついでに、マイナ保険証の受付には、高額の『顔認証システム』が置かれます。マイナンバーカードを本人が持参しているのに、必要でしょうか。変装して別の人に成りすまして医療サービスを受けたいという人がもしいたら、役に立つでしょうが)。

 医療保険制度はそのままですので、退職した際など保険の切り替えがうまくいかず、昔の消えた年金のような問題が起こりえます。保険証が送付されないなると、手続きの不備で「資格がありません」と言われかねません。国民皆保険のはずなのに‥。

 当然ですが、マイナンバーカードは『その人を特定する』ものです。住所が変わっても、仕事が変わっても、名字が変わっても、その番号は変わりません。このマイナンバーカードに制度を合わせるべきです。マイナンバーがそのまま『医療保険の被保険者番号』で、ついでに『医療機関のカルテ番号』になればいいのです。各医療機関にコストはかかりません。

 ニュースでマイナ保険証のメリットとして『検査データや投薬情報が共有できる』と言っていましたが、これは全く先の話で、そのためには「データセンター」「標準電子カルテなど」などが必要になります。国がこれを目標とするのであれば、医療者側も概ね賛成なのですが(個人的にはメリットはあまり大きくはないと思いますが)、現在の労力はそれにはあまりつながりません。

 よくサッカーで言われるように、「『ゴール』から逆算して、できるだけ手数をかけずに」動く必要があります。そのルートが見えないことが、マイナ保険証への反発につながっているように思います。